ブルーピリオドに学ぶ「独創性の出し方」

こんにちは、篠木です。
私は大学でアートゼミを主催していて、そこでは日々、学生たちが創作活動をしています。

©️山口つばさ ブルーピリオド 講談社

あなたが青く見えるなら
りんごもうさぎの体も青くていいんだよ

山口つばさ「ブルーピリオド」第1巻p51より引用

主人公が美術部の先輩に「早朝の渋谷は静かで青い」って言った時の先輩の返答。
返事を聞いた主人公の表情がすごく印象的で。
見たい人は今、第1巻が無料で読めるので、覗いてみてね。
ブルーピリオド公式サイトはこちら

なぜ、青く感じたものを「青い」と言えないのか。

大学で美術(といっても教育学科の造形分野)を教えていると
製作にとりかかかるのに、めっちゃ時間がかかる学生さんがいるのね。
んで、取り掛かったと思ったら、あっという間に「できた!」っていって提出しちゃう。

提出された作品は、いわゆる「無難な」やつなんだな。

それを見て思う。
その学生さんにとって、「自分で何か考えて、それを表現すること」は
めっちゃリスキーなんだなって


自分がこう思うって、色を変えたり、
こうした方が面白いって形をいじったりして
いわゆる「王道」から逸れるのは、とっても危険なことなんだと。

そもそもアートに正解はあるのか?

色々な人の意見はあると思うけど、
私はアートに正解はないと思っている。
というか、正解がたくさんあると思っているんだ。

ある時代は写実的表現が正解だったし
あるときは前衛的な表現がもてはやされたし
ある場所ではAが正解だけど、違う場所ではBが良しとされる。

残念ながら、日本ではあんまり正解の多様性みたいなものを
子どもたちに教えてこなかったと思うんだよね。

だから写生会で入選するような、形が整ってて写実的な作品が
いわゆる「いい絵」になっちゃったんだと思うんだ。

そして、そのみんながなんとなく「正解」だと思っている作品を作れない人は
どんどん自信がなくなっていっている。

青く感じたものを青く塗った先にあるもの

自分の感じたままに、作品を作るって実はとてもシンプルなこと。
それができないのは、他者からの評価が気になるから。

もちろん、他者からの評価が大事な時もあるけれど
それが自分の制作の全てを覆ってしまうと、いわゆる王道で無難な作品しか生まれない。
でも美術って本来もっともっと自由だし、何より人と違うことを推奨される数少ない分野でもある。

だから自分も何かを違う色に見えたなら、その色を紙に乗せてみていいと思うんだ。
Twitterでも書いたけど、自分の見え方や価値観を大事にすればするほど、作品に個性が出る。
自分の思いがほとばしるほど、独創的になっていくよね。

自分が青く感じたものを、青く表現した先には、
きっと次のステージが待ってると思うんだ。

あとは青くする勇気だけだね。

引用させていただいた「ブルーピリオド」はこちらから。

ブルーピリオド
ブルーピリオドは、ただいま11巻まで発売中^^


コメント

タイトルとURLをコピーしました