制限が加わった時にこそ、芸術は花開く

9月7日、8日は私が参加している劇団藤村組のオンライン劇の本番がありました。

私が藤村組で演劇を始めたのは3年前。元々、中学で演劇部、高校で映画研究会、また小学校教員時代に子どもたちを配役に映画を撮っていた経緯もあって、素人だけど演じることの楽しさを味わっていたんですね。

劇団藤村組の代表、藤村先生のブログはこちら
https://www.ex-ma.com/blog/archives/13025

本来であれば、この5月に東京の小劇場で観客を動員しての公演があるはずだったのだけど、コロナ渦で中止に。最初は延期だったのだけど、その小劇場が廃業してしまったので致し方なく、中止になったんです。

劇団の創始者藤村先生は「なら、オンラインで演劇ができないか」って思われて、この春からはZoomを使っての練習に切り替わりました。そして、9月7日、8日に本番を迎えることができたんです。

@mkitade0463
@yukaron1

今回、私は出演しなかったのだけど、裏側にはいさせていただいたの。
実は開始早々アクシデントがあってハラハラドキドキ!

でも、それをアドリブでかわしていく演者さんに拍手喝采でした。

ありがたいことに、スタッフに名前を入れていただきました!

でね、劇団藤村組の演劇を通して思ったのは、

制限が加わった時に、芸術は加速する

ってことなんですよ。

コロナで観客を呼べない、劇場が廃業する、いやいやそもそも役者が集まって練習できない、、、なんてできない尽くしの演劇業界。でもいち早く遠隔会議システムを使った新しい演劇の業態が生まれたんですね。私たちも他の劇団さんのオンライン演劇をいくつも見て勉強したり、zoomのシステムを学んだり、とっても新鮮でした。

そういえば美術の世界だって、カメラが開発された時に、それまで肖像画などを描いていた職人としての画家さん達はあっという間に仕事がなくなって露頭に迷ったんですね。なんせ、モデルを忠実に描くなら、人よりカメラの方が正確だし時間もかからない。仕事取られて当然だった訳です。

でも当時の画家達は、そこから別の手を考えた。ただ見たものを忠実に表すことだけでなく抽象、心象表現など、様々な表現方法を産み出していった訳です。今は写真と絵画は芸術として共存していますよね。

今回の演劇も、役者さん達もスタッフさん達もスムーズに行かないことがたくさんあった。でもその都度みんなで考えて乗り越えてきたんですね。私は途中で演者を降りたけど、出演した人たちは北海道から山口県まで離れて暮らしていて、自分の仕事が忙しいのに時間を合わせて遠隔でずっと練習してました。遠隔ってやってみると分かるのですが、タイムラグがあるんですよ。だからテンポ良く演じようと思ったら、ちょっと早めに次の人が話し出さなきゃいけないし、何より画面で区切られてる中での演技だけど、それに合わせた演技をみんなで考えてた。そうして、遠隔ならではの手法も出来上がっていったんですね。

正統派の演劇(下)と、ちょっとおちゃらけ演劇(上)
脚本は同じなのに、全然別物に!

演劇は本当に面白いです。今回のコロナの事で、ますます新しい表現が生まれてくるんじゃないかしら。
何はともあれ、演者さん、スタッフさん、本当にお疲れ様でした。

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